一般社団法人設立記念公演 鸞ノ会 親子三代能
令和3年11月27日(土)二十五世観世左近記念観世能楽堂
設立記念公演と銘打ち、父 角当行雄、私 角当直隆、娘 角当美織で、親子三代能を実現することができました。
写真 三上文規 無断転載禁止
鶴亀
TSURUKAME
シテ 角当行雄
いにしえの中国にて。
新年を迎えた皇帝の宮殿でお正月の行事が執り行われます。皇帝に仕える官人が登場し、皇帝が月宮殿にお越しになる
ので、殿上人は皆参上するように、と触れ回ります。皇帝が不老門に現れて初春の日の輝きをご覧になると、万
民が天に響く祝賀の声を上げます。宮殿の庭は金銀珠玉に満ちて美しいことこの上ない様子。
こうしたなか、大臣が進み出て例年のように鶴亀に舞をさせ、
その後、月宮殿で舞楽をなさいませ、と皇帝に奏上します。鶴と亀が舞って皇帝の長寿を祝うと、皇帝も喜び、みずから立
って舞います。さらに殿上人たちが舞って祝賀の場を盛り上げた後、皇帝は御
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輿に乗って長生殿へ還ります。
吉野天人
YOSHINO TENNIN
シテ 角当美織
都人が連れ立って春の吉野山を訪れ、花を友として暮らしているという
女に行き会う。女は自分は天人であると明かし、今夜この花のもとに旅寝すれば五節の
舞を見せようと告げて消えた。やがて天空から音楽が聞こえ、天人が天下ると花の中で舞い遊ぶ姿を見
せる。天人が複数登場する演出もある。
能楽協会
石橋 白獅子 SHAKKYOU
-shirojishi
シテ 角当直隆
中国・インドの仏跡を巡る旅を続ける寂昭法師は、中国の清涼山(しょう
りょうぜん)にある石橋付近に着きます。そこにひとりの樵の少年が現れ、寂昭法師と言葉を交わし、橋の向こう
は文殊菩薩の浄土であること、この橋は狭く長く、深い谷に掛かり、人
の容易に渡れるものではないことなどを教えます。そして、ここで待てば奇瑞を見るだろうと告げ、姿を消します。
寂昭法師が待っていると、やがて、橋の向こうから文殊の使いである獅
子が現われます。香り高く咲き誇る牡丹の花に戯れ、獅子舞を舞ったのち、もとの獅子の
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座、すなわち文殊菩薩の乗り物に戻ります。