望月 梅若会別会能

梅若会別会能にて望月白頭を勤めさせて頂きました。
望月を初演させて頂いたのは20年前。まだ30代でした。
前場はほとんど変わらず 後場の獅子が変わる所となります。

初演の時はまだ身体も動きますし、下は大口を履いて勤めます。今回の白頭では前場で着ていた素襖の下の長袴にて獅子を勤めます。
その為長袴の捌きが必要になり、そこも難しさの1つになります。獅子も能石橋の舞方と能望月の舞方では 違いが有り、石橋の舞方は霊獣ですから体全体を使って頭を振り荒く舞いますが、望月の獅子はお座敷での余興的な舞になりますから 荒くならぬように勤めなければなりません。またその中に殺気を帯びた感じにしなくてはならず、そこも望月の獅子の難しさがプラスされます。獅子の舞の段毎にワキの望月を見る方が有り、寝たか寝てないかを確認しながら 獅子を舞っていく所などを取り入れ、場の緊張感を作っていきます。


我々の師であります4世梅若実師は全てにおいて勝ていて演能されていたので、我々はその先生を間近に感じながら勉強しておりましたが、到底足元にも及ばず、毎回演能後には落ち込み、そして這い上がりと繰り返し精進して参りましたが、一つ一つでも先生に近づく事を目標に勤めております。

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